ITC が IntelliCAD10.1 をリリースしたそうです。そのうち IntelliCAD ベンダー各社(日本国内にはないけど)から出てくると思います。
概要が動画で配信されてます。
IntelliCAD 10.1 の主な更新点は次のようになっている模様。
- エンティティの選択が最大7倍、グリップの編集、グリップの表示、エンティティのスナップ、図面の再生成(regenの事かな)が2倍高速化。
- スムーズなビュー遷移。(表示がぐいーんってなるやつ)
- ダイナミックブロックの挿入。(定義編集はできない)
- 地理マップの挿入と操作。(geolocation 系の機能。重たい。)
- マップファイルのインポート:Esri®シェープファイル(.shp)、Autodesk®.sdf、およびSpatial®.sqlite (AutoCAD だと map3D とかにある土木系の人にも嬉しい機能。)
- 既存のエンティティのクローンを作成するコマンドをアクティブに。(いわゆる"選択図形を追加"のコマンド)
- シートセットを使用して図面ファイルのコレクションを管理および公開。(シートセットのサポートがそれなりに良くなってきた模様。フィールドでシートセットのプロパティ取れないので図面管理的な使い方はまだ無理。)
- テーブルの作成と編集。(ファイルとのデータリンクはまだ出来てない)
- OS の[スタート]メニューからのデフォルトのプログラム設定の復元。(運用的に便利なやつ)
- グループやブロックに高度なグリップを活用する。(各種のグリップがうるさいくらい出る)
- その場でテキストのスペルチェック。(これ系の機能は大体日本語では使えないけど)
- すべてのレイアウトとビューポートにレイヤー状態を適用する。
- 寸法を分割して表示。(寸法補助線の交差部分マスクですね)
- 配列複写の機能は AutoCAD と同等レベルに。
- 注釈尺度のフィルター。(細かいけど異尺度の使い勝手的に重要)
- リボンとツールバーのレイヤーコントロールにレイヤーフィルターを適用する。(これも細かいけど使い勝手的に重要)
- 3Dconnexion(3DスペースマウスとCADマウス)デバイス対応。(らく速本でもちょろっと紹介してるやつ。3Dやる人に便利。)
ということで、1年前に 10.0 リリースなので 0.1 上がったことになりますね。
バージョン的には 0.1 ですが細かい使い勝手に関連した部分にも手が入っているので結構なボリュームで開発が進んでいるようです。
開発者向けの情報としては、
- ODA SDKバージョン2021.11 ベース。
- .NETバージョン4.8 。
- AcUiDialog の初期実装が組み込まれている。
といった感じ。
いつのまにかダイナミックブロックもプロパティ変更からだけですが使えるようになっています。グリップが出ないのとダイナミックブロックを作ることはできないので片手落ち状態ではありますが、外部の幾何拘束エンジン使う仕組みが出来たらダイナミックブロックを作れるようになるかもしれませんね。
レイアウトでの作業パフォーマンスは(BricsCAD や IJCAD に比べたら遅いけど)数年前と比べたらかなり早くなっていて一応キャッシュもちゃんと効くようになっているので、DWG で 10MB程度のものであれば許容範囲のストレス具合で使えるかと思います。
ということで、ガッツリ高度な使い方をしないのであればわりと安定して使えるレベルになってきているようです。新し目の AutoCAD で追加されている機能やオブジェクトなど足りてない部分にも徐々に対応して来ているので、そういった点では10年前の AutoCAD 使ってる感じでいると丁度いいかもしれません。
あとは、日本事情だと日本語用 SHX フォントの差異の問題があるので、TrueType フォントで使えばっていう感じかな。
元ネタ記事:ITC